News

戻る

本学学生と教授の共著論文「Emotional journey of patients with specified intractable diseases in Japan」が国際専門ジャーナルに公開

戻る

 ヘルスイノベーション研究科 (SHI)博士課程2年の田中弘之さんと島岡未来子教授の共著論文「Emotional journey of patients with specified intractable diseases in Japan」が、希少疾患の国際専門ジャーナルであるIntractable & Rare Diseases Researchの速報に公開されました。

(公開された論文)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/irdr/advpub/0/advpub_2023.01115/_article/-char/en

 

研究の概要

 本研究は、診断遅延の課題を持つ日本の難病指定患者を対象として、疾患が患者の感情に与える影響をemotional journey(感情の旅)として描き、感情の変化から患者の満たされていないニーズを捉えることを目的として実施された。

 難病指定されている11の特定疾患を持つ179例の患者を対象にウェブアンケート調査を実施した。その結果、自身の身体に異変を感じてから、クリニックを受診している間の期間は最も感情の状態がネガティブであることがわかった。また、患者は、専門病院での受診が決定するところから徐々に感情の状態がポジティブに変化していき、確定診断及び治療・ケアに至るところで最もポジティブな状態になることがわかった。確定診断された時の感情の変化についてテーマ分類した結果、Relief(安堵)が41.9%と最も多く、次いで、No change(変化なし)が19.9%、Anxiety(不安)が14.0%、Shocked(ショック)が13.4%、Resignation(諦め)が6.5%の順であった。また、最も感情がネガティブの状態にあった自身の身体に異変を感じ、クリニックを受診している期間についてテーマ分類した結果、Frustration(不満)が51.3%と最も多く、次いで、Fear and anxiety(恐怖と不安)が43.6%であった。多くの患者は、自身の体の不調の原因が特定されるまでは、ネガティブな感情が支配するが、確定診断に向うにしたがい、ポジティブな感情に変化していくことがわかった。

 

島岡教授から論文公開にあたってのコメント

 本研究は、日本の難病指定患者を対象として、疾患が患者の感情に与える影響をemotional journeyとして描くことを試みた意欲的な研究である。本研究の進展により、診断遅延の課題解決に貢献することを目指したい。

前のページに戻る